科学はすべてを

栄養学に興味があるリノセウスです。科学について勉強したことや気になったことを書いていきます。雑記も書きます。

お菓子作りとは、科学である

こんにちは、リノセウスです。
今回は、お菓子作りとはれっきとした科学実験であることを紹介します。
お菓子作り...お菓子と一口にいっても、数えきれない種類のお菓子がございますので、ここではスポンジケーキを作ることを想定しておきます。ケーキおいしいですよね、私ケーキ大好きなんですよ。

 

さて、スポンジケーキ作りに必要な材料といえば、薄力粉(ホットケーキミックス)、卵、牛乳、砂糖、バターがメインになり、バニラエッセンス等様々なワンポイントな材料が加えられるでしょう。スポンジケーキのおいしさといえば、ふわふわの口当たりのよい甘い生地ですよね。あのおいしさの秘密に迫ります。

 

スポンジケーキのふわふわ感、それは卵の起泡性によりもたらされます。卵のタンパク質には界面活性作用があり、表面張力が低下し空気を取り込みやすくなります。また、膜状に構造が変化するため、取り込んだ空気を保護しやすくなり安定した泡になります。
また、ホットケーキミックスに入っているベーキングパウダーの主成分は炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)という物質で、加熱すると二酸化炭素を放出します。中学校の理科で習いますよね。二酸化炭素は気体ですので、これまた空気を発生させることになるので生地が膨らみやすくなるというわけですね。
この泡を安定させるための条件として常温であることや砂糖を入れることなどが加わります。逆にバターは泡を消す作用がありますので、バターは最後に混ぜてすぐに焼き始める、というレシピが基本ですね。
様々な食材の相互作用の結晶...お菓子作りはまさに科学であるといえます。

 

科学実験さながらのお菓子作りですが、その繊細さゆえに料理より難しいと言われています。
普段の食事として食べる料理のための材料や作業時間は、味には大きく影響しますが、料理の物性やテクスチャ(食感のこと)に与える影響は比較的少ないです。しかし、お菓子作りに使われる材料はお菓子の味と物性両方に大きく影響するので、材料の量や作業時間を厳密にしなければならないんですね。
例えば晩ご飯を作ろうとしたとき、材料の量が大体あっていればそれなりにおいしくなります。しかし、お菓子作りの際に材料を大体の量にしてしまう、加熱する時間を大雑把にするなどしてしまうと、パサパサだったりジットリした食感になってしまい、お菓子の本来のおいしさを大きく損ねます。これがお菓子作りが普段の料理より一般的に難しいと言われる所以ですね。個人的にはどちらも果てしなく難しいと感じます。精進せねば...

 

今回はほとんど紹介できませんでしたが、牛乳や砂糖などどんな食材にも科学は詰まっています。どこかで紹介できたらいいですね。それではこの辺で。

 

参考文献
尾嶋好美「「食べられる」科学実験セレクション 身近な料理の色が変わる?たった1分でアイスができる?」SBクリエイティブ、2017
辻英明、五十嵐修「食品学」健帛社、2012
久木久美子、新田陽子、喜多野宣子「調理学 おいしく安全に調理を行うための科学の基礎」化学同人、2014
齋藤勝裕「料理の科学 加工・加熱・調味・保存の化学変化」SBクリエイティブ、2017

2020.9.30