科学はすべてを

栄養学に興味があるリノセウスです。科学について勉強したことや気になったことを書いていきます。雑記も書きます。

ゲームに登場する化学物質のお話

こんにちは、リノセウスです。

ゲームに登場する人や物、事の名前って元ネタがあるものが多いですよね。北欧神話(トール、リヴァイアサンなど)から使われていたり、ギリシャ神話(ゼウス、ポセイドンなど)から使われていたり、実在した武将の名前だったり…

もちろん化学の分野から名前が取られているものもあります。どんなものが登場しているでしょうか。

分子(水とか酸素とか二酸化炭素みたいな感じのもの)であるものは太字にし、分子式も記載しておきます。

 

ポケットモンスターシリーズ

 

ピカチュウが世界的に有名なRPGゲームです。ポケットモンスターシリーズに登場するアイテムにはタウリンブロムヘキシンリゾチウム、キトサン、インドメタシンといったものがあります。

ざっくりいうとポケモンの能力値を上げるアイテムです。値段は他のアイテムと比べると少々高め。現実ではどんな化学物質なのでしょうか。

画像は「ポケットモンスター バイオレット」から。ゲーム内では薬屋さんで売られています。

 

タウリン(C2H7NO3S)

栄養ドリンクに1000mg配合されてそうなアレです。体内では胆汁酸の合成に使われており、脂質の消化吸収に役立っています。また、疲労回復の効果が期待されています。

 

ブロムヘキシン(C14H20Br2N2)

去痰(きょたん)薬の成分です。痰の粘度を下げてやわらかくし、排出しやすくする働きがあります。

 

リゾチウム

いろんな動物や植物の体の中で働く酵素と呼ばれるものです。リゾチームなんて言ったりします。細菌の細胞壁を壊すことで溶菌作用を示します。



キトサン([C6H11NO4])

食物繊維の一種です。脂質などの吸収を妨げる作用があることにより、抗肥満作用や整腸作用などが期待されています。

 

インドメタシン(C19H16ClNO4)

解熱鎮痛、抗炎症成分です。痛み止め用の湿布などに使われています。

 

 

ファイナルファンタジーシリーズ

 

言わずと知れた王道RPGゲームです。ファイナルファンタジーシリーズに登場するアイテムにはエーテル、ハイエーテルなどがあります。キャラクターが特技を使う際に消費するMPやSPを回復するアイテムです。

画像は「チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!」から。ファイナルファンタジーに登場するチョコボが主人公になった作品です。

 

エーテル

エーテル」という言葉はある物質のことを指すのではなく、あるグループを総称している言葉です。このグループに属している物質としては「ジメチルエーテル(C2H6O)」や「ジエチルエーテル(C4H10O)」などがあります。

麻酔の作用がありますが、引火性があるため使用は推奨されません。



Minecraft

いろんな素材を使って自由な創作を楽しむクラフト系のゲームです。なんとこのゲームには化学を学ぶことができるEducation Editionというバージョンが存在し、元素を組み合わせて化合物を作成することができます。なんとすばらしいゲームなのでしょうか。

全ての化合物を紹介するのは骨が折れるので、通常バージョンでも作成可能なTNT爆弾について紹介します。

画像は「大乱闘スマッシュブラザーズSP」から。Minecraftとは全く別のゲームですが、Minecraftの世界が忠実に再現されています。画像右側の赤い箱のようなものがTNT爆弾です。

 

2,4,6-トリニトロトルエン,TNT(C7H5N3O6)

爆薬の成分です。爆薬といえばダイナマイトを思い浮かべますが、ダイナマイトの主成分はニトロセルロースニトログリセリンです。トリニトロトルエンはそのまんまTNT爆弾と呼ばれています。

 

以上、3種類のゲームシリーズから化学物質の紹介をしました。他のゲームにも化学物質が元ネタの様々な物質が存在することでしょう。なかなかなじみがない名前ではありますが、これを期に化学について興味を持っていただけたら幸いです。それではこの辺で。

 

参考文献

團野浩「らくらく完全攻略!登録販売者試験」ナツメ社、2017

中嶋洋子「改訂新版 栄養の教科書」新星出版社、2016

実教出版編修部「サイエンスビュー 新化学資料」実教出版、2022

中村桂子、松原謙一「Essential 細胞生物学」南江堂、2019

 

参考ホームページ

タウリン e-ヘルスネット 厚生労働省(2023.9.12時点) https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-017.html

毒物劇物取扱者試験

こんにちは、リノセウスです。
先月の下旬に毒物劇物取扱者試験なるものを受験しており、先日結果が発表されました。
合格していました!やったぜ。

毒物劇物取扱責任者とは、毒物や劇物など毒性のあるものを製造、輸入、販売する際に必要な専任者のことです。この資格を持っていれば毒物や劇物を売ったり作ったりできるわけですね。
特にこれらの仕事をしたいというわけではないのですが、化学に関する何かしらの国家資格を取りたいと思って勉強しました。危険物取扱者なんかにも興味があります。

試験はわりと簡単だったように感じました。
試験の科目は、1毒物及び劇物に関する法規、2基礎化学、3毒物及び劇物の性質、貯蔵、識別及び取扱方法の3つがあります。
中でも基礎化学は高校の化学基礎をかなり簡単にしたような問題だったので、化学を真面目に勉強した人であれば余裕で解けるのではないでしょうか。私はこの科目で満点でした。フゥー

東京都のこの試験の合格率は約50%らしいのですが、私の地域の合格率は20%台でかなり低かったようです。どうしてそこまで合格率に差があるのでしょうか...

一部納得のできない誤答もありましたが、化学の理解を試すテストの一つとしてよくできてたかなと感じました。これから化学を勉強してみようという方は挑戦してみてもいいかもしれません。青酸カリ(シアン化カリウム)などいろんな化合物がでてきて面白いですよ。高校の化学基礎で充分かもしれませんが... それではこの辺で。

2020.11.29

ゲーム感想:シャドウバースチャンピオンズバトル

こんにちは、リノセウスです。今回は最近遊んだゲーム「シャドウバースチャンピオンズバトル」についての感想です。若干のネタバレを含みますので、未プレイの方は注意してお読みください。

 

シャドウバースとは、2016年6月よりリリースされたデジタルカードゲームアプリです。プロリーグも発足し公式大会も定期的に開かれ、2020年4月よりアニメも放送され、なかなか勢いのあるコンテンツだと感じています。

本作はそのゲームシステムをNintendo Switchに落とし込み、アニメの世界を舞台にオリジナルストーリーを展開するというゲームになっています。

 

物語はプレイヤーの操作する主人公が、アニメに登場する学校「天青学園」に転入するところから始まります。その学園にはアニメに登場する少年竜ヶ崎ヒイロを始めとしたアニメのキャラクターが存在し、主人公は転入早々にシャドバ部という部活に誘われます。

しかし、シャドバ部は部員が足らず実績もない為廃部寸前...そんなシャドバ部の存続を懸けてみんなでがんばろう!という学園ものでは定番(?)の物語となっています。

 

アプリ版と異なる点として、実装されたパックの中で古いものから3弾分のカード+本作オリジナルカードのカードプールでシャドウバースを遊べるという点があります。アプリ版でも使えなくはないのですが(オリジナルカードは当然使えません)、その他にも多数の強力なカードが存在しており、ほぼほぼ使われていないという状況です。

本作発売前の段階では懐かしい環境で遊べるなーぐらいの気持ちだったのですが、実際にプレイしてみるとなかなかおもしろかったです。

使うカードの懐かしさはもちろん、オリジナルカードの能力や登場時の演出も迫力があり良かったです。また、アプリでは弱いためにネタカードとして扱われたカードも上方修正を受けて一線級のカードになったことも魅力の一つだと思います。

何より、アニメのキャラクターが3Dモデルになって動き回るのがものすごく気に入りました。カードゲームだからとあまり意識していなかっただけに、その衝撃は大きかったです。天宮ミモリちゃんが一番のお気に入りです。かわいい。

他にもパズルクエストというお遊び的なモードもあります。「このターンで相手の体力を0にしろ」といった条件でシャドバのパズルに挑戦できるいわゆる詰め将棋のようなモードです。

この問題は初級、中級、上級に分かれているのですが、上級が本当に難しくシャドバに慣れている私でも1問に数十分かかったものもありました。かなり楽しかったです。

 

私がストーリーをクリアした時のプレイ時間は37時間程度でしたが、途中パズルクエストでかなり遊んでいたので、ストーリーだけならもう少し短い時間でクリアできるでしょう。

各キャラクターのシナリオを攻略したりオンラインで対戦したりとまだまだ遊びつくしておりませんので、徐々に遊んでいこうかなと考えています。

 

シャドバをプレイしたことのある人やカードゲームが楽しいと感じる人なら十分楽しめる作品であると自信をもっておすすめします。それではこの辺で。

 

2020.11.14

科学雑誌レビュー:Newton、日経サイエンス

こんにちは、リノセウスです。

今回は最近読んだ科学雑誌「Newton」と「日経サイエンス」についてのレビューです。

どちらも1冊ずつしか読んでいないのでNewton初心者、サイエンス初心者が読んだ感想としてお読みいただければと思います。

 

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まずはNewton。赤い背景が特徴の月刊雑誌です。科学雑誌を買うのは初めてで、買いだしたらキリがないんじゃないかなと思っていたのですが、まるごと中高理科という題に惹かれて即座に買いました。理科が大好きなんですよね。

内容としては、表紙にも書かれている通り物理、化学、生物、地学の重要そうな箇所を現行の学習指導要領に沿っておいしいとこどりしている感じです。私は化学と生物しか学習していなかったのですが、物理や地学も大変わかりやすく説明されていました。物理には興味があったのでとても勉強になりました。高校物理は大きく分けて運動、波、電気と磁気、原子に分類されているようです。

この雑誌の特徴は多すぎるほどの図解、イラスト、写真を載せており、パラパラとめくるだけで楽しかったです。誌面のほとんどが鮮やかで視覚的にも楽しめました。文章だけだとわかりづらい表現も図解だとすぐに理解できてよいですね。文章も平易で素人にはとてもわかりやすかったです。

 

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次に日経サイエンス。緑の背景が特徴の月刊雑誌です。こちらは2番目に買いました。Scientific American誌の日本版ということで、どうやら外国の科学雑誌を日本語に訳したものだそうです。大変そう...

「真実」とは何か?という怪しさいっぱいの表題ですが、物理学や脳科学などの観点から物の本質を説明した内容になっています。例えば、我々はある物を見るとき、物が反射した「光」を見ているのであって直接物を見ているわけではない、ということや、とあるドレスは白と金色に見える人と青と黒色に見える人がいるように知覚は人それぞれ異なるので客観的事実ではない、といった内容でした。

この雑誌の特徴はとにかく文章が多く、最新の研究なども紹介されており詳しく説明されていました。私の勉強不足が故なのでしょうが、やや言い回しが難しかったように感じます。一つの文章を理解するのに何度か読み直すこともありました。もちろん一般向けの科学雑誌なので、専門用語などは少なかったです。

 

初めて読んだ科学雑誌ですが、2冊ともとても面白かったです。また面白そうな特集があれば買うかもしれません。

なお、この紹介は個人の感想です。購入の参考になれば幸いです。それではこの辺で。

 

2020.11.10

 

イメージの問題?

こんにちは、リノセウスです。

さっそくですが、みなさんにお聞きします。以下の物質がなんなのか考えてみてください。3つあります。

 

・ジヒドロゲンモノオキシド

ポリエチレンテレフタラート

・アセチルサリチル酸

 

どれも私たちの生活には欠かせないもので、知らない方はいないぐらい有名な物だと考えています。

しかし、こんなカタカナの名前の物なんて聞いたことがないという方もいらっしゃることでしょう。以下に先に挙げた物質がなんなのかをのせておきます。




・ジヒドロゲンモノオキシド→水(ジ...2つの、ヒドロゲン...水素、モノ...1つの、オキシド...酸素。H2O、水です)

ポリエチレンテレフタラート→ペットボトルの容器、樹脂のこと(polyethyleneterephtalate、略してPET、PETのボトルだからペットボトル)

・アセチルサリチル酸→解熱鎮痛剤、アスピリン(頭痛薬で有名なバファ〇ンに入ってる成分です)

 

おそらく、誰でも知っていておかしくないものばかりだと考えています。

しかし、普段聞きなれない言葉にするだけでなんだかよくわからない物のイメージになったことと思います。ご存じだった方は素晴らしいです。よく勉強されているのでしょうか。

 

この名前の言い換えはある物質を批判する際に見かけることが多いように感じます。

例えばビタミンCは、L-アスコルビン酸酸化防止剤などと表記されることがあります。受け取り方は人それぞれですが、なじみのあるビタミンCという字面よりかなり合成物のような印象があります。合成物ではあるんですが。

人間はよくわからないものに対して受け入れるよりは恐怖や不安を覚えるようになっています。人間である以上その辺はどうしようもないのですが、人間ですから調べることもできますよね。

字面に惑わされず、その物質とはなんなのか、というところを見極める力を身に着けたいですね。

 

ジヒドロゲンモノオキシドについてのお話をひとつ。皆さんはすでに水ということをご存じですが、水ということを知らせずに否定的な面を伝えて、あたかも危険な物質であるかのように印象付けるという科学ジョークがあります。その例として、「重篤なやけどの原因となりうる」「地形の侵食を引き起こす」「軍事利用されている」というものがあります。

どれも事実ではありますが、水であることさえわかっていれば「そんなの当たり前じゃん!」というツッコミができますよね。

それではこの辺で。

 

参考文献

佐野博敏「スクエア 最新図説化学」第一学習社、2010

丸山敬「マンガでわかる薬のしくみとはたらき事典」ナツメ社、2020

参考ホームページ

DHMOに反対しよう(2020.11.4時点) https://www.komazawa-u.ac.jp/~kazov/Nis/etc/DHMO.html

 

2020.11.4

「絶対安全な食品」は存在しない

こんにちは、リノセウスです。

食に対する安全性が騒がれてやまない昨今ですが、安全な食品とはなんでしょうね。

安全ーー危険がなく安心なこと。傷病などの生命にかかわる心配、物の盗難・破損などの心配のないこと。(goo国語辞書より引用)

危険がなく、生命にかかわる心配のない食品...

結論から申し上げますと、そのようなものは存在しません。その根拠を「遺伝子」と「細菌」の2つの観点から説明します。

 

最初に「遺伝子」について。私たち人間は一人ひとり顔や身長などの体のつくりが違います。これらの違いが生じる原因は遺伝子が一人ひとり異なるためです。顔が似ている人はいても全く同じ顔の人はいませんよね。

この違いは身体的な部分だけでなく、体質的な部分にももちろん影響します。

例えば食品アレルギーは、本来体に必要な栄養素を敵だとみなして免疫が過剰に反応してしまう現象です。アレルギーは全く起こらない人もいれば、小麦粉アレルギーを持つ人など様々です。

このアレルギーの発症ももちろん遺伝子による影響があります。(環境によるところも大きいですが)私は小麦粉を食べてアレルギーを起こしたことはありませんが、多くの小麦粉アレルギーの方がいらっしゃると思います。もしかすると私が明日食べる食品の何かが体に合わなくて毒となってしまうかも...

このように、一人ひとり体質、もとい遺伝子が違うため、ある食品が人間全員に安全であると言い切ることはできません。

 

次に「細菌」について。私たちの皮膚や口の中、室内の空間、スマホなど、この世界のありとあらゆる場所に細菌や微生物が存在します。もちろん食品の表面にも存在します。

細菌の多くは体の丈夫な免疫機能(胃酸や白血球など)によって排除されますが、存在している以上免疫機能を逃れ、感染症を引き起こす可能性が残ります。

細菌数0の食品を作り出すことはほぼ不可能ですが、限りなく0に近いものを作り出すことは可能です。それは、ガンマ線という放射線の一種を食品に照射することで作り出されます。わが国ではジャガイモにのみ使用が認められています。この記事でいうのもなんですが超安全です(笑)

細菌や微生物が存在しているからこそ、我々は加熱や消毒などをしてできる限り感染症の可能性を下げているわけです。

 

散々安全とは言い切れないとなどと申しましたが、「明日会社に隕石が落ちる可能性は0ではない」という文言と同じレベルですので、あまり気にしなくてよいでしょう(笑)日本の食に対する安全と公衆衛生はかなりの水準ですからね。

それでも、こういった認識は頭の隅の隅にでもあると食品の安全性に対する認識が変わるかもしれません。それではこの辺で。

 

参考文献

上村慎治「ケイン生物学」東京化学同人、2014

北里英郎「ウイルス・細菌の図鑑ー感染症がよくわかる重要微生物ガイドー」技術評論社、2016

薬理凶室「アリエナイ理科ノ大辞典 改訂版」三才ブックス、2019

参考ホームページ

農林水産省、消費・安全(2020.10.23時点) https://www.maff.go.jp/j/syouan/index.html

おいしいものほど体に悪い?

こんにちは、リノセウスです。

 

「おいしいものほど体に悪い」

テレビや日常会話なんかで使われるこの表現、よく耳にします。

確かに、山盛りのカツ丼、ラーメン、天ぷら等おいしそうなものはなんか体に悪そう...

おいしいと感じるかは人それぞれですが、私はいずれも大好きでよく食べています。

はたして本当に体に悪いのでしょうか。

 

 

rinoseusu.hatenablog.com

 

毒の概念という記事にて「毒」というものはなく、摂取量によって体に良いか悪いかが決まるとお伝えしました。この概念は食事にも通じます。

人間は動かなくても生きている限り脳や各臓器が動いておりますので、エネルギーを消費します。これを基礎代謝といいます。

基礎代謝がある限り動く動かないに関わらず、ある程度のエネルギーをなんらかの手段で手に入れなければなりません。成人男性の場合、基礎代謝で一日約1500kcalを消費しています。そして、仕事や運動などの身体活動によるエネルギーも合わせると、一日2000kcal~3000kcal(個人差あり)を食事で摂取するべきであると厚生労働省は述べています。

このエネルギー量を大幅に超えて摂取していると肥満やメタボリックシンドロームなんかになっちゃいます。

なので、最低限必要な量からメタボになるかもしれない量の間に「適切なエネルギー量」というものがあるわけです。目安として、自分の20歳時点での体重、あるいはBMI(体格指数と言います)が22になるような体重を維持できるようなエネルギーが自分の適正エネルギーとなります。

 

ここで冒頭の文言、おいしいものほど体に悪いというのは、おいしくてついつい多く食べてしまい、適切なエネルギー量を超えてしまうから体に悪いということであって、料理そのものが悪いわけではないんですね。もちろん、各種アレルギーや、糖尿病患者に対する糖質量など疾患を持っている場合に考慮すべき点は山ほどありますが...

少なくとも、おいしいから体に悪い、カツ丼だから、天ぷらだから悪いとは一概には言えなさそうです。おそらく、週に4回カツ丼を食べたとしても、適正エネルギー量の範囲内でかつビタミン、ミネラルなどの生きるために必要な栄養素が過不足なく摂取できていれば、健康を害する可能性はかなり低くなると考えられます。(週に4回もカツ丼を食べるような人がそのような食事ができるかは疑問ですが...)

 

好きだけど体に悪いから控えなきゃ…という思考に陥ってしまいがちですが、自分の健康状態を見て体と相談しながらうまく食べられるような食生活にしたいですね。

 

BMIについて少しお話を。Body  Mass  Index(体格指数)の頭文字をとってBMIです。

体重(kg)÷身長の2乗(m^2)で求めることができます。身長はセンチメートル(cm)ではなくメートル(m)です。

日本では、18.5未満だと低体重、18.5〜25未満だと標準体重、25以上だと肥満としています。22を適正体重としているので、この値を目指したいですね。 それではこの辺で。

 

参考文献

佐々木敏夫、菱田明「日本人の食事摂取基準2015年版」第一出版株式会社、2014

山崎昌廣「人体の限界 人はどこまで耐えられるのか 人の能力はどこまで伸ばせるのか」SBクリエイティブ、2018

中嶋洋子「改訂新版 栄養の教科書」新星出版社、2016

2020.10.17